2016年10月17日

不安







「おとといの台風、すごかったな。学校の日だったろ?大丈夫だった?」


週末。
黒川が一緒にいなくてもいいと言うので、イツキは、梶原と一緒にいた。
駅前のファミレスで待ち合わせ、昼食をとる。
先日の補習は成績がよろしくない組対象だったので、当然、梶原は関係がなく、
その後イツキが、どうやって悪天候を乗り切ったのかも、知らない。


「……服が、……びしょ濡れになった…」


イツキは瞬間、清水と過ごした時間を思い出したが、それは二人だけの秘密で。
ハンバーグの付け合わせの人参を食べ、ふふと、笑う。


「勉強は?そんなに問題無いんだろ?日数とかも」
「うん。平気」
「フツーにしてればフツーに大丈夫だよ。…あとは、進路だよなぁ…」
「…うん」


最近は、梶原と話すと、この話ばかりになって少し気が重い。
イツキとて、何も考えていない訳ではないが、答えはまだ、出ていない。
黒川と離れてみたい、一人で生活してみたいから、せめて、高校くらいは卒業したいと、頑張っているのだけれど

そもそも、黒川と離れる事が出来るのかどうかが、不安だ。



「…先の事とか、考えられない。…自分が本当はどうしたいか、なんて、解んないし…」



イツキはドリンクのストローを口にくわえながらそう言い、視線を流し、勉強ではない何か別の、遠くの事を考えているようだった。




posted by 白黒ぼたん at 00:05 | TrackBack(0) | 日記
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/177282709
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
足りないイツキ by はるりん (10/15)
誘惑・5 by ぼたん (10/13)
誘惑・5 by A (10/12)
誘惑・5 by はるりん (10/12)
誘惑・3 by ぼたん (10/11)
誘惑・3 by はるりん (10/10)
誘惑・2 by ぼたん (10/09)
誘惑・2 by はるりん (10/09)
一応、冗談 by ぼたん (10/04)
一応、冗談 by はるりん (10/03)