2016年11月06日

深夜2時







梶原は勉強の手を止めて、傍らに置いてあったペットボトルのお茶をラッパ飲みする。
集中が切れるとやはり、思い出すのは、イツキの事ばかり。

黒いスーツを身にまとったイツキは、学校の制服姿とはまた違って、酷く儚げで、艶気がある。
おまけに、あの男と一緒なのだ。その前後にはおそらく、そういう事があったのだろう。


だからと言って、イツキと、そういう関係になりたいとは…少ししか思っていなかったが
頭だけで納得出来れば苦労はしない。


「……クソ…」


梶原は残っていたお茶を一気に飲み干し、ペットボトルをゴミ箱に投げ入れる。
そうしてもう一度勉強に集中しようと机に向かうのだけど、それはなかなか、容易なことではなかった。





イツキは、ふいに目を覚まし、隣で眠る黒川を起こさないようにベッドから抜け出す。
台所で水を一杯飲むと、少し、腹が痛くなり、そのままトイレへと向かう。
自分の身体からは、自分のものではない体液が出て、しばらく便座から立ち上がる事が出来なかった。


自分は、何、なんだろうかと思う。
男なのに、男とセックスする。自分の身体の穴に、男たちは、精液を流し込む。
望んでそうすることもあるけど、そのほとんどは、望んでいる行為ではない。
明日も、多分そのまた明日も、そう変化することはなく、同じような日々が続く。



トイレから出て、また寝室に戻る。
窓のカーテンの隙間から、まるで傷口のような、細い三日月が見えた。



posted by 白黒ぼたん at 23:03 | TrackBack(0) | 日記
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