2016年11月09日

悪循環・2







「……何の話ですか?…俺、知りません」
「そう?」



とりあえずイツキは否定してみるものの、加瀬はさも確信があるようにニヤリと笑い、さらにイツキの顔を覗き込む。


「あの日は補習があった日でしょ。君も、清水くんも、参加だよねぇ…」
「そうですね。でもそんなの、俺だけじゃないでしょ?」
「清水くんもさ、イロイロ目立つ子じゃない。あの辺りの繁華街で問題があると、報告が来るんだよねぇ…」


イツキは加瀬をちらりと見上げ、すぐに目を逸らせ、無意識に身を守る様に片方の手でもう片方の腕を抱き、一歩、後ろに下がる。
嘘を付き通すことが出来ないイツキは、可愛く、格好の遊び道具だった。


「困るんだよね。学校帰りにさ。男の子二人でラブホテルだなんて、フシダラ過ぎるでしょ?」
「でも、…何も…、俺たち何もしてません」

「あ。…やっぱり、君か」



語るに落ち。うっかりイツキが口を滑らせると、加瀬は嬉しそうに笑う。
後ずさったイツキに、一歩前に近づき、イツキの腰に手をやり、軽く自分に引き寄せる。



「あの雨でしょ。繁華街の防犯カメラじゃ、君の顔までは確認出来なかったんだけど。でも、まあ、君しかいないよねぇ」




posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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