2016年11月18日

黒川の質問






夜中。横浜の仕事が一息付いた黒川がイツキに連絡を入れると
今日は新宿の部屋にいると言う。

事務所に顔を出し、そのまま部屋に戻ると、イツキはもうベッドに入り半分眠り掛けたところだった。



「なんだ、一人でこっちにいるなんて、珍しいな…」
「……ん…」


黒川はネクタイを解きながらそう言い、イツキは布団から顔だけ出す。


「…マサヤは、…横浜だったの?」
「……ああ」
「ふぅん。…お疲れさま…」


横浜での仕事にイツキが嫌な顔をするのではないかと思ったのだが、意外と素っ気なく、逆に黒川はつまらなく思う。
一度キッチンに戻り、冷蔵庫から缶ビールを取り、再び寝室に戻ると
イツキはすでに目を閉じ、また、眠りに落ちかけていた。



『ずい分、眠たそうだな。…遊び疲れか?』と、黒川が子供じみた意地悪を言おうとすると、…気配を察したように、イツキの唇が開く。


「……マサヤ」
「ん、…何だ?」
「俺、しばらく…昼間、…忙しい。知り合いのお店、手伝うことにした……」
「………ん?」



突然、意味の解らないことを言い出したイツキの顔を、黒川は覗き込むのだけど
イツキはすでに深い寝息を立て、黒川の質問を受け付けることは無かった。




posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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