2016年11月24日

まだ、余裕の黒川






どうせすぐに、疲れただの眠たいだの言いだして、ベッドから離れない生活に戻ると思っていた。
もしくは、行く先々で男に引っ掛かり、良いように扱われて、自分が、そういう類の人間なのだと思い知らされるだろうと。

イツキには、まっとうな仕事も生活も、似合わない。
泣き疲れ、いやらしい汁でびしょ濡れになりながら、足元に擦り寄ってくればいい。


と、黒川は半ば本気で思っていたので、


今回、イツキが知り合いの店の手伝いに行くなど言い出しても、そう本気で考えることは無かった。




黒川が横浜から戻ったのは、真夜中過ぎの時間。
イツキはもう寝室のベッドに入っていたが、明かりが付いたままのリビングには、一緒に食事をしようと待っていたのか、伏せたままのグラスと、デリカのサラダが並んでいた。



黒川は一人でワインを一本開け、シャワーを浴び、寝室に入る。
慣れない手伝いとやらで疲れているのか、ちょっとした物音ぐらいでは、イツキは目を覚まさない。



「……馬鹿なやつ。……お前は、大人しく、俺の傍にいればいいんだよ…」



そう言って、笑って、
黒川はイツキの隣で眠るのだった。




posted by 白黒ぼたん at 22:50 | TrackBack(0) | 日記
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