2016年11月27日

寝ぼけマサヤ






朝。
イツキが目を覚ますと、隣に黒川が寝ていて、驚く。
確かに昨日は帰るとは言っていたけど、横浜でアレコレで2,3日戻らない…なんて、いつもの事だったし
特に、どうしても帰らなければいけない理由も見当たらない。


「……ま、……別に…。……ここのベッドの方が、寝やすいのかな……」


イツキは呟きながら、そっとベッドから抜け出し、洗面所へ向かう。
顔を洗い、歯を磨き、髪の毛を直して、服に着替える。
手伝いに行くのも、すでに3日目。受付にいるのも、多少、慣れて来た。
預かったメンバーズカードのナンバーをパソコンに打ち込んで、客のカルテを呼び出しておく…などという高度な技まで出来るようになった。

イツキにしては上出来だった。
「仕事」ではなく、「知り合いの店の手伝い」という位が、逆にリラックス出来て良かったのかもしれない。


出掛ける用意がすっかりできてから、一応、寝室に戻る。
まだ、眠っている黒川の傍まで行き、耳元に、唇を寄せる。


「……行くね、マサヤ」


そう言ってイツキが黒川の耳たぶにキスをすると、一瞬、黒川の瞼がぴくりと動く。
それでも、

醒め切らない黒川が「……行くなよ」と言ったのは、

玄関の扉が、バタンと、音を立てた後だった。


posted by 白黒ぼたん at 00:11 | TrackBack(0) | 日記
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