2016年12月06日

美容室の梶原






梶原はソファに座り、イツキが淹れたコーヒーを啜りながら、見慣れぬファッション雑誌などを手に取ってみる。
そしてその雑誌で顔を隠すようにし、あたりをキョロキョロと見回す。

普段、自分が行く、1000円カットの店とは、随分と様相が違う。
ナケナシの諭吉を財布に入れは来たが、それでもまだ不安になってしまう。
従業員は少ない。若い、チャラい、イケメンと、中年の髭の男と、イツキ。
イツキは白いワイシャツ姿だったが、学校で見る感じとはまた違って、とてつもなくオシャレでスタイリッシュに見える。


似合い過ぎている、と、梶原でも思う。




「……え?…おにーさん、新しい人なんですか?…カットとかも、指名出来るんですか?」
「…いえ、俺は…、そういうのは出来ないです。…えーと、お名前、こちらにお願いします」



新しい客が来て、普通にイツキが対応するのを見て、梶原は新鮮に驚く。
そして、イツキが全く知らない別の人に見えて、酷く、焦る。






「はい。カジワラさま、お待たせいたしました。全体的に短く…ですね。
…イツキちゃんの友達? ウチは初めて? ありがとうございます」


梶原の担当はミツオだった。
梶原は、このイケメンチャラ男が、どうしてイツキを「ちゃん付け」で呼ぶのか、不思議でならなかった。




posted by 白黒ぼたん at 23:55 | TrackBack(0) | 日記
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