2016年12月13日

最後に一言







枕元のケータイのアラームが鳴って、イツキは布団の中から手を伸ばす。
まだ、出掛けるには早い時間だが、もうひと眠りするには遅い時間。


「……何時だ?」


背中からイツキを抱き締めたままの黒川が尋ねる。


「……7時。……そろそろ…、起きなきゃ……」


イツキの言葉が終わらないうちに、黒川の手が動き出す。
二人とも、まだ、夜中のコトが終わったままの姿。
イツキの中心は大人しく項垂れていたけれど、、黒川が指先で引っ搔くと、ぴくんぴくんと反応する。


「……俺、今日も、美容室…。……マサヤも横浜行くって…、言ってたじゃん……」
「…ああ」
「…だめだよ…」


もぞもぞと動く黒川の手から逃れるように、イツキは半分身体を起こすのだけど
簡単に捕まり、逆に強く抱き締められてしまう。
……腰のあたりに、黒川の中心が当たり、ドキリとする。

イツキは黒川の腕の中でくるりと回り、黒川に向かい合う。


「……したら、だめ。……離れられなくなっちゃうよ?」



黒川の胸に腕を突っ張り、そんな事を言う。
黒川も、この朝の短い時間にもう一度…とは、本気で思っていなかったのだけど…


「………マサヤが」




最後に一言、そんな事を言われては

黒川も、黙って引き下がるわけにはいかなかった。




posted by 白黒ぼたん at 23:01 | TrackBack(0) | 日記
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