2016年12月28日

お疲れさま会・3






「イツキくん、本当にお疲れさま。これ、お給料です。本当に助かりました、ありがとう」
「……あ、……はい。ありがとうございます」



ミツオが身を乗り出し、イツキの顔をまじまじと眺め、イツキとカレシの関係を根掘り葉掘り聞こうとした矢先、
仕事を終えた髭の店長が、妻のアヤコと一緒に、お疲れさま会に合流する。

とりあえず、仕切り直し、皆でビールで乾杯する。
ミツオは、イツキと二人きりの時間が終わり、少し不満そうな顔を見せたけれど…それも仕方が無いと直ぐに明るい笑顔を見せる。

軽さ、と言うか…さらりと表面を撫ぜるくらいの立ち入り方が、意外とイツキの好みで、
ミツオと一緒にいる事が苦ではないのは、その辺りが理由なのだろうと思う。



「イツキくん、本当に、バイト続けないの?…学校始まっちゃうから?」
「……はい」
「平日夕方とか…土日のどっちかとか…、来てくれると嬉しいんだけどなぁ…」

店長にそう言われ、イツキは嬉しい反面、困った様子で口を噤む。
もう少し続けて働いてみたい気持ちはあるのだけど…、なかなか、固定の時間を決めることが難しい。


「いっちゃん、ウチの店、品川にあるのよ。ウチの方、手伝いに来てくれてもいいのよ?」


アヤコにも誘われ、イツキは微笑んで、頷いてみせる。
こんな風に人に望まれるのは初めてで、イツキは、お腹の奥がくすぐったくなるような、不思議な気分になるのだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:30 | TrackBack(0) | 日記
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