2017年01月05日

二人の部屋に一人






真夜中。
黒川はベッドにイツキを残し、寝室を出る。
イツキは物音で目覚め、しばらくぼんやりとしていたのだけど
やがて、玄関の扉が閉まる音がして、黒川が出て行った事を知る。


「……帰ったんだ…?…」


黒川はトイレにでも行ったのだろうと思っていた。
ついさっきまで、一ミリだって離れることは許さないと、あれだけ身体を重ねていたのに。

黒川の腰の上に跨り、黒川のものを埋め、息が止まる。
じりじりと熱が広がり、痛みは麻痺し、すぐに別の感覚にすり替わる。
もどかしさに腰を浮かそうとするイツキを、黒川は追い詰め、
そのまま、短い悲鳴を上げ達してしまう様子を、可笑しそうに見上げる。


『……いい顔だ。……イツキ。……もっと、俺を欲しがれよ…』


そんな事を言って、その実、
イツキを一番欲しがっているのは黒川で、
欲のまま、お互いの身体を貪っていたのだけど



終われば簡単に手放してしまうらしい。
その執着の無さが、憎たらしい。




「……勝手な奴。……まあ、その方が、俺もいいけどさ…。朝まで一緒にいたら、また、……離れらんなくなる……」

イツキはもう一度、布団の中に潜り込む。


そこにはまだ黒川の匂いと温もりが残っていた。




posted by 白黒ぼたん at 22:33 | TrackBack(0) | 日記
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