2017年01月08日

変なプライド






いつものように遅刻ギリギリの時間にイツキは教室に入る。
席についていた梶原は待ちくたびれたという風に席を立ち、イツキに駆け寄る。


「おはよ……イツキ……」
「おはよう、梶原」


イツキは普通に挨拶をして、自分の席に着く。
梶原は落ち着かない様子でイツキの周りをウロウロしていたのだけど、すぐに始業のベルが鳴り、担任の教師が教室に入って来る。

仕方なく、梶原は自分の席に戻る。



夏休みの間、ほとんどイツキと連絡が取れなかった事が寂しかったのだ…と、
そんな事は、嫌という程、解っていた。
だからと言って、それを正直に打ち明けてしまうことも
変なプライドが邪魔して、出来ないのだ。




「おっ、イツキ。久しぶりだな。そう言えばお前、バイトしてたんだって?
何、何? 話、聞かせろよ。
それじゃなくても、夏休み、お前と全然会えなくて、つまらなかったんだからさ」



休みの時間になると、清水がイツキの傍にやって来て、そんな事を言う。

梶原は耳をそばだてながら、自分もあんな風に顔を近づけて、気軽に話しかければ良かったと思った。




posted by 白黒ぼたん at 21:32 | TrackBack(0) | 日記
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