2017年01月11日

オブラート







二学期初日の今日は、学校は午前で終わり。
プリントを配布し、課題を回収し、これからの行事予定などを確認して、終了する。
皆、ガヤガヤと席を立ち、どこで昼食を取ろうかとなどと、相談し合う。

イツキに多少、意地悪な事を言ってしまった梶原は
気まずい空気を取りあえず飲み込み、笑顔を浮かべ、イツキに、どこかに出かけようかと振り返るのだけど…

その時にはもう、イツキの姿は教室には無かった。



「イツキ?…ベルと同時に出て行ったぜ?……何?もう、喧嘩したのかよ?」



不安げな顔で教室中をキョロキョロと見回していた梶原に、清水が面白がって声を掛ける。
梶原は「……別に、そんなんじゃないです…」とふてくされ、カバンに荷物を詰め込むと、自分も教室を出るのだった。




『美容師なんて無理だろ。卒業だってギリギリなんだからさ!』



そう言った後のイツキは、少しだけ顔を曇らせた後、
『まあ、そうだよね…』
と言って、微笑むだけだった。

梶原が自分の発言を後悔しても、後の祭り。
今までさんざん、イツキに、自分の将来について真面目に考えろ、などと言っておきながら、実際、真面目に考えたイツキに、酷い事を言ってしまった。


確かに、本当の事かも知れないけれど。

もう少し、やさしく何か、包んでやれば良かったと思う。




posted by 白黒ぼたん at 23:06 | TrackBack(0) | 日記
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