2017年01月20日

イツキとミツオA






「……グラス、空いちゃったね。……何か入れて来るよ」


擦り寄るイツキを一度置いて、ミツオはキッチンに向かう。
空のグラスに氷を入れ、缶チューハイを注ぎ、自分は、ワインのボトルを開ける。


イツキは勿論可愛くて、好きだ。
身体を交えたのは、実は、最初に会った一度きりで…、出来ればもう一度、きちんと…そう出来れば良いと思っている。
けれど、今日の展開は急過ぎる。

何か、おかしい?

と、イツキよりは多少オトナのミツオは、コップの水を一杯飲んで、あまり流されないようにと自分に言い聞かせる。




イツキが梶原と電話をしていたのは、この合間だった。
ミツオが新しいグラスを手にソファに戻った時、イツキは通話を終え、さも邪魔なもののように、ケータイを脇に放り投げていた。

「……電話?……カレシ?」
「ううん。……梶原」
「カジワラ?」
「学校の、……人。……俺に、仕事とか、無理って……いった」


イツキは、ミツオが持って来たグラスの…ワインの方に手を伸ばす。
ミツオが制する間もなく、注がれた白を一気に飲み干す。
残念ながらイツキは、言いたいことを言う為にアルコールの力を借りるものの
あっという間に、それに飲まれてしまう。

それでも必死に、言葉を繋ぐ。



「ミツオさんも、…無理だって思う?……おれが、ちゃんと、しごと、するの。
…えっち、…抜きで。……おれがいる、意味、ある?」





posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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