2017年01月23日

イツキとミツオC







涙をぽろぽろと零すイツキに、ミツオはティッシュを箱ごと差し出すと
イツキはそれを取り、2,3枚引き出し、顔をぐしゃぐしゃとやった後、鼻をかむ。
それを何度か繰り返し、ようやく落ち着くと、照れたような笑顔をミツオに向ける・


「……ごめんなさい。……なんか、おれ……、ぐっと来ちゃった……」
「…大丈夫?」
「…うん。…大丈夫。……ありがと、ミツオさん。……おれ、何か…、解んなくなっちゃって……」


顔が火照って熱いのか、手の平をぱたぱととやる。
そして姿勢を変え、ソファの上に膝を抱えて座る。
丸くなり、今度は自分への反省のように、ミツオの顔を見ずに呟く。


「…俺が普通に仕事するなんて、向いてない事は知ってたけど…、でも、もしかしたら…出来るのかもって…思っちゃって。
…俺みたいなのでもいいよって、…大丈夫だよって…、…言って欲しかったのかもしんない……。
ありがと、ミツオさん。…俺、ちょっと、頑張れるかも知れない……」

「……それを聞きたくて、……来たの?」

「………そうか…も」




頭の上に気配がして、イツキが顔を上げると
すぐ近くにミツオの顔があり、ソファに座るイツキに覆いかぶさっていた。

ミツオはイツキの頭に手をやり、そのまま頬に手をやり、親指で、少し残る涙の粒を拭う。




「仕事するイツキちゃんも、勿論、好きだよ。…でも、それとこれは、話が別だよ。
イツキちゃんは俺を、買い被りすぎているよ?」




posted by 白黒ぼたん at 22:53 | TrackBack(0) | 日記
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