2017年02月13日

馬鹿な子・1







夕方、イツキは黒川の事務所に向かう。
普通に待ち合わせて、食事に行き、そのまま二人の部屋に帰る週末。
明かりが漏れる事務所の扉をノックし、中に入ると

そこにいたのは、西崎だった。



「よう、イツキ」
「………こんにちは。……マサヤは?」


イツキは一瞬、息を飲む。
狭い事務所をぐるりと見回してみるも、黒川の姿は見当たらない。


「…社長ならちょっと出てるぜ。 『パピヨン』で急用が出来たってよ。…まあ、すぐ戻るんじゃねぇか?」
「………そうなんだ…」
「突っ立ってねぇで、入れよ。ここで待ち合わせてるんだろ?」
「………うん」


デスクに座る西崎を警戒するように、イツキは、部屋の端に身を寄せながら、ソファへと向かう。
その、あからさまな怯えた様子が可笑しくて、西崎は笑う。


「馬鹿。こんな所で取って食いやしねぇよ」
「……西崎さんは、どうして、ここに…?」
「荷物待ちだ。一ノ宮さんが来るハズなんだがな。……何か飲むか?」


そう尋ねる西崎に、イツキは無表情のまま首を左右にぷるぷると振る。
その様子が可笑しくて、西崎はまた、笑う。





posted by 白黒ぼたん at 20:46 | TrackBack(0) | 日記
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