2017年02月15日

馬鹿な子・2







「……そうだ、イツキ。お前、来週の水曜日、空けておけ。メシに行くぞ」


急に西崎がそう言いだして、イツキは目を丸くする。
西崎と食事に行く理由が解らなくて…、…思い当たる事が無い訳でもなくて…、それをどう聞けば良いのかと、少しの間、考える。


「加瀬さんと、だよ」


そして、イツキが口を開くより先に、西崎がその名前を告げる。


「……いい。……俺、行かない…」
「馬鹿か。断れる話じゃないんだろう?」
「…なんで、俺、あの人とヤらなきゃいけないの?…なんでそれを西崎さんに言われなくちゃいけないの?」


イツキの疑問はもっともな事だったが、西崎にはどうもピンと来ないらしい。
煙草に火を付け、デスクを離れ、イツキが座るソファへと近寄る。
表情はまだ穏やかで優し気だが、もともとが強面の巨漢なのだ。

…傍に立たれるだけで、反射的に身が竦む。


「お前が加瀬さんに頼んでるんだろう?アホーのお前がガッコー続けるために、色々融通して貰ってるんだろう?」
「……違うよ!……そんなの、頼んでないよ!」


西崎の言いように、つい、イツキは声を荒げ反論する。
……確かに、最初は、そんな下心もあって加瀬に近づいたのだけど…、…それを常習化してしまうほど、慣れ合うつもりもない。

無いけれど、利用するつもりがいつの間にか一方的に利用されてしまう。
簡単に立場が悪い方へと入れ替わってしまう。
悪意を持った男達に抗うには、イツキは無知で無力過ぎる。



「お前みたいなのが何のコネもなく、普通に暮らせると思うなよ。とにかく、決まった話だからな。解ったな」



posted by 白黒ぼたん at 19:17 | TrackBack(0) | 日記
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