2017年02月17日

馬鹿な子・4







西崎の言葉に黒川は、イツキの表情を探る様に伺い見て、そして、また馬鹿にしたように鼻で笑う。
イツキが学校の副理事と関係を持っている事も、本当はそれを嫌だと思っている事も、
別に、どうでも良いらしい。


「…くだらない事で揉めるなよ。ヤらせておけばいいだろう?、減るものでも無し。
どうせお前はそれしか取柄が無い……」



黒川が予想通りの返事をした所で、イツキはソファから立ち上がり、精一杯、黒川を睨みつけて、事務所を出ようとする。

「…俺、帰る。…今日はご飯、行かない…!」
「ああ、メシか、そんな約束もしていたな。…今日は無理だ。帰っていいぞ」

そう言って黒川はまるで邪魔者を扱うように手をひらひらと振った。





イツキが大きな音を立てて事務所の扉を閉めて、出て行ってしまってから
西崎は少し意外な顔をして、黒川を見る。
自分が振った話で、ほぼ、想定内の流れになったのだけど、それにしても、黒川の、イツキへの扱いが雑過ぎる。
…逆に、少し、イツキが気の毒に思えてくる。




「……もともと、あいつが言い出した話なんだろう?」


西崎の同情を知ってから知らずか、黒川が声を掛ける。


「えっ…、あ…、加瀬さんですか…、そうみたいですよ。学校の便宜を図ってもらうために、イツキから誘って来たって話です」
「……馬鹿な奴だ。……自分が蒔いた種じゃないか。……少しは痛い目に遭えばいい」



そう、薄ら笑みさえ浮かべ話す黒川を見て西崎は、背筋がぞくりと、冷たくなる。




posted by 白黒ぼたん at 22:59 | TrackBack(0) | 日記
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