2017年02月22日

馬鹿な子・6








「……むずかしいね。……いろいろ…」
「…何の話だ?」
「……んー。……いろいろ。……上手くいかないね……」


イツキは毛布に包まりながら、身体を丸めながら、独り言のようにつぶやく。
何度か瞬きをするのだが、黒川を見ることはない。


「……俺が、……やることなんて、……馬鹿なことばっかりだ。……いつまでたっても……」


おそらく、加瀬との件を話しているのだろうけど
きっぱり、嫌だ、と言う訳でもなく。

今回のように元はと言えばイツキが招いた話でも、また、黒川が押し付ける悪い話でも…
嫌だと言って、泣き泣き喚き、激高していれば、逆に脅したりすかしたり甘やかしたり…誤魔化す方法もあるのだけど

こう、静かに、ただ語られると、どう返せばいいのか少し迷う。



「…そうだな。…いつまでたっても、馬鹿だな」
「うん」



イツキの素直な返事は、半分は本当で、半分は諦めに近いもので。



「……だが、俺は気に入っているぜ、お前の馬鹿なトコロも。……馬鹿な子ほどカワイイとか言うだろう?……ふふ」


冗談めかして黒川はそんな事を言う。
イツキはやっと黒川を見て、そして小さく笑って、「……ずるいなぁ…」とつぶやくのだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:32 | TrackBack(0) | 日記
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