2017年02月23日

馬鹿な子・7







水曜日。
とあるホテルの一室に加瀬と西崎とイツキがいた。



加瀬は言わずもがな悪い男で、公職に就きながら、多少裏とも関わりがある。
西崎とは以前、西崎の息子が地域で問題を起こした時に、色々便宜を図ったらしい。
どちらかが一方的に強いという訳でもない。持ちつ持たれつ、状況により旨い汁を吸う、といった様子だった。


西崎にすれば、今回の話は、イツキが振って来た話なのだし、黒川にも了承を得ている。
ついでに、自分もお零れに預かれるとあって、悪い話ではない。
イツキが嫌だの、何だのゴネるのはいつもの事で、どうせ始まれば良くなってしまうし、元より、イツキはそれしかカードを持っていない。
上手く切ることも出来ないくせに、今更焦らしやがって…と、鼻で笑うばかりだった。


イツキは、
加瀬との件は、自分が蒔いた種なのだと、重々承知していたし、反省もしていた。
良くも悪くも自分の武器は…身体しか無くて、それを取引の材料にしてしまうのだけど、安易過ぎた。
ギブアンドテイク、も解る。けれど、取り分が少ない気がする。
与えるばかりが多すぎる。自分の身体を切り売りして、本当は辛いと涙を流したところで、


黒川が、助けてくれない事が、虚しかった。







「…じゃ、お先に頂こうかな」


そう言って、加瀬はイツキの腰を抱いて、寝室へと入っていく。
西崎はソファに座り、二人の背中を見送りながら、今日のイツキはやけに大人しいなと思う。
煙草に火を付け、暇つぶしにとテレビを付け、古めかしいアダルトビデオを眺める。

ブランデーのグラスの氷が、カランと音を立てて崩れた。





posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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