2017年03月05日

馬鹿な子・14







ようやく加瀬は脱いだ下着を手に取り、慌ててそれを身に着ける。
「イツキのような子」と関係を持つこと自体、罪悪感は持っていないにしろ…
そのパトロンを前にしては、話は違う。


「……言っておきますけど、…この子から、誘ったんですよ?……この子から」
「ああ。そうらしいな。…こいつは尻が軽い」


そう言って、黒川はイツキを見て笑う。問題は、それ、では無いらしい。
加瀬はといえば、脱いだ時に裏向けになったズボンを直すのに苦労していた。


「…何回、ヤった?」
「…い、一度か…二度か…。でも全部、この子から言い出したんですよ。頼み事があるからって…」


加瀬の言い分と少ない見積もりに、イツキは思わず顔をあげるも、口を挟むことはしない。
こんな場面で自分が何を言っても、自分が叱られるだけだと知っていた。

恐る恐る、黒川を伺う。
黒川はニヤリと口の端を釣り上げたまま、鋭い目線を加瀬に向ける。
加瀬は、逃げるように寝室を出ようとするのだけれど、入り口の前に黒川が立ち塞がり、通ることが出来ない。



「あんた。こいつの、相場、知ってるか?」
「……相場?」
「こいつと寝るのに、いくら払うかって事だよ。クソみたいなガッコーのクソ頼み事だか何だか知らんが…、少々、安すぎるんじゃないか?」
「…金か?…金を出せと言うのか?……そ、それじゃあ、まるで、強請りか美人局じゃないか!」

「ああ」


いかにもそれが正論という風に、黒川は語気を強めた。




posted by 白黒ぼたん at 23:24 | TrackBack(0) | 日記
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