2017年03月08日

馬鹿な子・17






黒川は黙ったままイツキの傍に歩み寄る。
イツキは…、一応、助けてくれた黒川に礼を言った方が良いのだろうかと…口を開けてみるも…、声は出ない。
何故か喉の奥が乾きヒリヒリとする。ともすると、息も出来ない。


ベッドの横まで来た黒川は、口の端だけ釣り上げ笑ったまま、イツキが身体に巻いていた毛布を引く。
部屋の明かりは煌々と灯されたまま。隠しようもなく、裸のイツキが晒される。




「……マ…サヤ、……あの、……えっと。……来てくれるなんて…、思わな…か……」
「同じ格好になれよ」
「……え?」
「…さっきと。…俺が来た時と同じ格好だよ」
「………え…」

「早くしろ」


静かに怒鳴られ、感謝も弁解もする余地もない。
イツキはもぞもぞと動き、ベッドの上で四つん這いになり、尻を黒川に向ける。

それは、先ほどの…下着姿の加瀬同様、酷く惨めで滑稽な姿だった。




「良い様だな、イツキ。裸でケツ突き出して、突っ込まれるのを待っていたか」




尻を黒川に向けているイツキには、黒川の表情は伺えない。
けれども、黒川が自分の皮膚のすぐ近くにいることは解る。

馬鹿なイツキは、それだけで感じてしまう。
そして、それは、すぐに黒川に伝わってしまう。




posted by 白黒ぼたん at 22:35 | TrackBack(0) | 日記
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