2017年03月13日

馬鹿な子・19







黒川がイツキの中から指を引き抜くと、イツキは、ぱたんとベッドに倒れてしまう。
顔をシーツに伏せたまま、苦しそうに湿った息を吐き、中途半端な快楽に身体を震わせる。

黒川はベッドに上がると、イツキの髪の毛を掴み、自分の方へ向けさせる。
閉じた瞼。長い睫毛に、涙の粒。薄く開く、唇。紅潮した頬。



「言う事があるだろう?イツキ」



黒川は、イツキの髪を掴んだまま、何度か揺する。
イツキは目を開き、一度閉じ、もう一度開き、黒川を見る。
事の最中のイツキは、男の欲を激しく掻き立てる。



「………マサヤ」
「…うん?」



黒川は、イツキが堪えきれずに自分から誘うようにと煽っていた。
それでもまだ、焦らし、焦らし、早贄のようにじっくりと楽しむつもりでいたのだが、

イツキは身体を横向きに替えると、そのまま腕を伸ばし、黒川の首の後ろに巻き付ける。
身体を寄せ、脚を絡めたかと思うと…そのまま黒川の身体をを引っくり返すようにして、自分が上に乗る。

黒川は少し意外そうな顔をして、胸の上のイツキを見上げる。
イツキは、泣きそうな顔のまま、口を尖らせ、頬を膨らませていた。




「……俺のこと、助けてくれたんなら…、もう意地悪しないで、優しくしてよ。
俺、マサヤが来てくれて、嬉しかったんだから……」



そう言い終わると、イツキの目から、涙の粒がぽろりと落ちた。
じっくり楽しむ予定だった黒川の、事情が変わった。




posted by 白黒ぼたん at 21:47 | TrackBack(0) | 日記
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