2017年04月07日

朝の教室・2







「朝メシ?…何で遅刻?…黒川さんと一緒にいたの?」


清水はイツキの前の席に後ろ向きになって座り、机に頬杖を付き、イツキの顔を間近から覗き込む。
メロンパンを口に頬張り中のイツキに、答えを求めている訳ではない。
……答えなど、初めから解っていた。


「…仲良しさんだよなぁ…。それでも学校に来るんだな、エライエライ」


多少、小馬鹿にした言い方。
イツキはパンをごくんと飲み込み、コーヒーで流し、ムッとした様子で清水を見返す。


「…先輩だって、遅刻…」
「ああ、俺も。……美和と朝帰り。……お前、黒川さんと朝、シた?  …俺はシて来たよ」


何が可笑しいのか清水はクスクスと笑い、そして、イツキが飲んでいた缶コーヒーを取ると、勝手に飲んでしまう。
単純にイツキをからかっている…という訳でもないようだ。清水は清水で、何か答えを探しているようだった。


「………美和さんって…、保健の先生だった人だよね。今は?…他の学校にいるの?
先輩と、お付き合いしているの?」
「まあな」



清水はそう言う。
けれど、色恋めいた話をしているというのに、少しも楽し気ではない。
ふんと鼻息を鳴らし、ふと視線を窓の外にやり、しばらくそのまま黙ってしまう。





posted by 白黒ぼたん at 23:10 | TrackBack(0) | 日記
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