2017年04月09日

朝の教室・3






「……先輩?」
「進路は?決めた?お前、バカだけど、卒業出来るの?」



無言の清水に、イツキが心配して声を掛けると、清水はまるで違う話を始める。
…正面切ってバカと言われて、イツキは少しムっとする。

「出来るよ、多分。…ギリギリだけど…」
「…へぇ。…まあ、お前は裏でイロイロあるもんな。…まあ、大丈夫か」


清水はそう言って、馬鹿にしたように、ふんと鼻で笑う。
先日の加瀬と西崎との一件を清水が知っているのかは不明だが、イツキが何かしているのかもしれないと、清水が思うのは…仕方のない事だろう。
内容の、どこからどこまでを、確認するのは止めておく。


「………そんなの、ないよ。……でも、ちゃんと卒業するよ…」


ただ、そう、小さな声で呟いてみる。


「…ふーん」
「…先輩は?……どうするんですか?大学、とか…?」
「…これ以上ガッコー行っても仕方ないからな…。シューショクするか。…オヤジの手伝いでもするか……、ふふ」



明らかに本心ではない言葉を吐いて、自虐的に清水は笑う。

そして、おもむろに、机にあったイツキの手に自分の手を重ねると




「……それとも。…どっか、逃げるか。……二人で」


そんな事を言うのだった。






posted by 白黒ぼたん at 22:00 | TrackBack(0) | 日記
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