2017年04月15日

はやり病・2






「………先輩…」


閉まる直前のドアに挟まれた足は、……清水だった。
清水はそのまま身体を滑り込ませ、ドアを閉められなくする。


「……どうして…?」
「…ん。…お前、メールも電話も、返事、くれないじゃん」
「……どうやって…、入ったんですか……」
「はは。そんなのどうやったって入れるよ。裏の駐輪場、鍵、掛かってねぇし」


多少、悪知恵の働く者なら、オートロックのマンションに侵入することなど、そう難しい事ではないのだろう。
イツキは驚いてはいたが、予想内と言うか…、こんな事もあるのではないかと、心のどこかでは覚悟していた。


「……ちょっと、話、しようぜ。…この間の続き」
「……明日、学校で、します…」
「ガッコーで、出来る話かよ。…部屋、入れろよ」


ドアに清水を挟みながら、イツキは、ドアを押さえつけ、どうにかこれ以上清水を中に入れまいと抵抗する。


「……駄目です。……い、今、中に、…マサヤ、来てるし……」
「…ふーん?」


イツキの咄嗟の嘘に、清水はニヤリと笑う。


「丁度いいや。俺、黒川さんにも話しがあるんだよね。……黒川さん、黒川さーん!」
「…先輩っ、…声、大きい…っ」
「黒川さんっ、話し、しようぜ。イツキの話。…今日も、セックス、するのー?ねえ?」


部屋の中に、というよりは、マンションの廊下中に響き渡るように、清水は大声を出す。
案の定、丁度通りかかった住人が、何事かとイツキの部屋を伺い見る。




posted by 白黒ぼたん at 22:00 | TrackBack(0) | 日記
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