2017年04月23日

はやり病・6






ほんの数分前の荒々しさが嘘のように、清水は静かに、煙草を吸う。
イツキは半ば呆気に取られてその様子を見ていたのだが、思い出したように慌てて、キッチンから灰皿を持って来る。

吸殻は、後でちゃんと捨てる、と、頭もきちんと働いていた。







「…ちゃんと、お前に、謝りたかったんだ…」

紫煙を吐きながら、清水はそう言う。
イツキは、清水が何か謝るような事をしたのだろうかと、思う。


「……え?」
「……お前が、……俺から離れた時。……俺、結構、酷かったよな」
「…そ…う…?」
「…覚えてねぇか?……前にも俺、こうやって部屋に来て…、お前のコト、金で買ったぜ?」


楽しい思い出でも話すように、清水はクスクスと笑う。
言われて、イツキも、……そんな事もあったなと、思い出す。


「あの時は、…お前が…無理やり俺から離れた理由が解らなくて、お前の気持ちが解らなくて…、悪かったな」

「……先輩は、……悪くないです。……俺が…」

「……もう、いいよ。何も言わなくても。ごめんな、イツキ。
俺が、ちゃんとお前の事信じて、待っていれば良かったのにな…」




清水はそう言って、イツキの頭にぽんと手をやり、その上から軽くキスをした。





posted by 白黒ぼたん at 22:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
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練習
Posted by ぼたん at 2017年04月23日 22:34
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