2017年05月16日

別枠







昼休み、食堂で。
今まで隣にいた梶原が所用で席を外した、その僅かな隙を狙い、清水が、イツキの隣に座る。
紙パックのコーヒーを飲んでいたイツキはストローを咥えたまま、驚いて、清水を見る。


「お前さ、オヤジんトコのチンピラと、ヤったって、本当?」
「……チンピラ…?」
「金髪の。よく、来る奴」
「……ああ、佐野っちの事?」


およそ昼下がりの学校には似合わない内容だったが、イツキは思い当たる節があるのか
清水から視線を逸らし、思い出したように小さく笑う。


「…マジか。…黒川さんに言われて、他の男とヤって、その後で、チンピラともヤったって…」
「……その話、なんで先輩が知ってるんですか?」
「チンピラが言いふらしてたって。…オヤジが聞いて。わざわざ、俺に言いに来たぜ」


西崎は今でも事ある毎に、イツキの良くない話を、清水に吹き込んでいる。
『あいつは誰とでも寝る尻軽なのだから、お前は相手にするな』と。
半分は事実なのだし、そう言われ、そう思われたとしても、まあ構わないのだけど

それにしても佐野は口が軽すぎる。



「……もう。……佐野っち…のバカ……」
「…なあ」


イツキが佐野への悪態を付いたところで、清水が、イツキの顔を覗き込む。
うっかり、距離が近すぎて、無駄にドキドキしてしまう。



「……なんで、そいつとはヤって良くて、俺とは、駄目なんだろうな。
……俺は別枠?……お前にとって。
だから、黒川さんもオヤジも、必死こいて俺らの事、止めに来たのかな?」


そんな事を言って、清水は、ふふと笑うのだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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