2017年05月17日

手首






イツキの手首は特別細いという訳ではなかったが
黒川の商売相手の男達からすれば、それこそ赤子同然。
片手で簡単に捕まれ、引かれてしまえば、もう身動きを取ることも出来なくなる。



街中で突然腕を掴まれて
物陰や暗がりに追いやられる。

「よう、イツキ。久しぶりだな」

と、普通の挨拶をしてはいるが
顔は近いわ、男の腰は密着しているわで、まったく、普通の状況ではない。



「……お…ひさしぶり…です」
「いつ以来だ?最近は呼んでも来ねぇな。少しは付き合えよ」
「…俺が…、決めることじゃないので…。……すみません…」
「…クソ。相変わらずエロい顔してるよな。口でも、ケツでもいいや。…ブチ込みてぇぜ」


そう言って男は、腰をさらにイツキに押し当て、がっはっはと下品に笑う。
それでもそれは本当に、男にとってはただの挨拶だったようで。


「…今度、黒川に言っておくぜ、じゃぁな」


そう言うと、わざと乱暴に玩具を扱うように、イツキの手を振り回し、離す。
よろけそうになるイツキを、笑い、男は、どこかへ行ってしまうのだった。




こんな事は日常茶飯事だし、本当にどこかに連れ込まれて、犯される時だって…あるのだし。
取り立てて別段、どうという出来事でもないのだけど



いつまでたっても嫌なものは嫌だと
イツキは震える手を握りしめながら、思った。




posted by 白黒ぼたん at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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