2017年05月31日

今夜のふたり・4






二本目のビールも空けて、さすがにイツキは眠たそうにソファに沈む。
大丈夫、とは言っていても、ここに来る前にすでにかなり飲まされ、数時間にわたり男に弄ばれて来たのだ。
疲れていない訳はないだろう。


「…少し、お休みなさい。後で車で送りますよ…」
「…一ノ宮さん」
「……はい?」


まどろむイツキに一ノ宮が仮眠用の毛布を掛けてやると、イツキはもう一度、ゆっくりと瞼を開ける。
夢とうつつの境にいる様な危うい表情は、ゾクリとするほど綺麗で、一ノ宮ですら変な感覚になる。





「……一ノ宮さんとマサヤみたいな関係だったら良いのに。
ちゃんとお互いのこと解ってて、信頼していて、パートナーって感じで。
…一人の人と、人として…、ちゃんと。……ちゃんと、してて……
…おれと、…マサヤは…、だめ。……どうしたって……、おれが…下になっちゃう……」



呟いて、何度か瞬きをする。
一ノ宮はイツキが泣いているのかと思い、うっかり、イツキの頭に手をやってしまう。



「…社長は、あなたが思っている以上に、…あなたの事を大切に想っていますよ」

「……知ってる。…だから、それが嫌だから、たまに俺を突き放すんでしょ?…あいつ…」



そう言ってイツキは諦めたように小さく息を付いて、深く、目を閉じるのだった。


posted by 白黒ぼたん at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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