2017年07月25日

小さな約束







10月の連休を挟んで4日間、梶原は予備校の集中講座に参加していた。
午前に3時間、合間に休憩と自習を挟んで、午後には5時間と、ハードな内容だったが、
常日頃、自己流で勉強を続けている梶原には、ありがたい機会だった。


「……俺はもうウンザリ。あと2日も耐えらんない」


飲食が出来るラウンジで、買って来たコンビニの弁当を食べながら
大野は盛大な溜息をつく。
大野にしてみれば普段の予備校生活が、さらに強力に延長されたわけで
もう、辟易としていると言った様子だった。


「…ちょっとさ、息抜きしねぇ?……帰り、どこか、寄ろうぜ?」
「大野。今、頑張り時って言ったの、お前だぜ?」
「そうだけどさ、物には限度ってモンがあるだろう?俺、もう、パンパン」
「あと2日じゃん。とりあえず、集中しようぜ」


もっとも至極な事をいう梶原に、大野は観念したように項垂れ、残りの弁当を口に運ぶ。
梶原はその様子を見ながら、小さく笑い、自分も、弁当を食べる。







梶原は、イツキとある約束をしていた。
この集中講座が終わったら、イツキの勉強を見るという名目で、どこか時間を取ろうと。
自分の家でも、ファミレスでも、少しのんびり食事でもしながら、一緒に過ごそうと。



その事を思うだけで
今の時間は頑張れる。
単純かも知れないが
イツキとの約束は梶原の、原動力になっていた。






イツキは梶原のやる気スイッチ…
posted by 白黒ぼたん at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/180442607
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
足りないイツキ by はるりん (10/15)
誘惑・5 by ぼたん (10/13)
誘惑・5 by A (10/12)
誘惑・5 by はるりん (10/12)
誘惑・3 by ぼたん (10/11)
誘惑・3 by はるりん (10/10)
誘惑・2 by ぼたん (10/09)
誘惑・2 by はるりん (10/09)
一応、冗談 by ぼたん (10/04)
一応、冗談 by はるりん (10/03)