2017年08月09日

展示会







とりあえずイツキは小野寺の一歩後ろに立ち、手元のグラスに口を付けつつ
小野寺の元に来る人たちに、小さく微笑み、ぺこりと頭を下げる。
当たり障りのない挨拶に、お約束のような次の仕事の予定。
お互い、連れているお飾りを褒め、小声でヒソヒソ何やら話し合う。

突然、手を引かれて、ホールの片隅に追いやられ、騒ぎに乗じて犯される。
……そんな事は、無かったけれど、別段楽しい事がある訳でもなく
イツキは何となくそこらを眺め、雰囲気のあるジャズの演奏を聴き、時間が過ぎるのを待った。



「………写真の子?」
「そうそう…」



ふと、小野寺と、男が、小さな声で話している内容が聞こえてしまった。
反射的に顔を上げると、相手の男と目が合う。
男はいやらしくニヤリと笑う。


「まだ未成年だよね、…ヤバイよね、この子……」
「ええ。……ふふ、今日は借り物でね…、……まあ、また……」


明らかに、自分の話をしている二人は、解りやすくこっちをジロジロと眺め、耳打ちし、笑う。


同じようなやりとりが、相手を変え、何回か繰り返される。


「……ああ、この子。………見たよ、あれ…」
「どうにか手配しますよ。……ええ、大丈夫……」
「…いいね。…ビデオも……」





思えば、自分の周りにいる男たちが全て、そんな目で、自分を見ているような気がする。
それは、概ね、間違いではないだろう。


まるで、展示会の商品になったようだ。






posted by 白黒ぼたん at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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