2017年08月14日

フル回転







気付けば
ホールの照明はさらに落とされ、間近でなければ相手の顔も解らない程、薄暗く。
バンドの楽曲は、ムードのあるものに変わり、中央では男女が身体を密着させ踊っていた。

片隅のソファで抱き合う二人は、すでに、そこで、始まっているのかも知れない。

燻る紫煙と、酒の匂い。この空間にいるだけで、酷く酔ってしまいそうだった。



イツキは犯されこそしなかったが
いっそ、そうされてしまった方が良かったと思った。

服を着たまま、立ってはいたけれど
声を掛けてくる男たちは、そんな布切れの事など、微塵も気にしていなかった。

耳から犯され、身体が、溶けていく。




「写真?…ああ、写真ね。いや、あれ以外にも沢山あるよ。…ふふ。
だって、君、ほとんど意識飛んでたでしょ?…覚えてないでしょ?

君のお母さんに見せたのなんて、綺麗なヤツだよ。
……すごいよ?……ばっくり開いて、中まで見えそうなの。……見たい?」



小野寺の言葉に、イツキは返事もせずに、首を横に振る。
唇を噛みしめ、とにかく、早く、この時間が終わることだけを考えていた。





また別の男が、小野寺の傍に来て、イツキを指さして、ニヤニヤと笑う。

コソコソと小声で話す内容が聞こえない分、余計に、イツキは無駄に、身体を熱くし
フル回転した想像に、泣き出してしまうのを堪え、必死に、立っているのだった。






posted by 白黒ぼたん at 22:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
イツキが不憫すぎて攻めに魅力感じなくなってきちゃった(笑)
Posted by みん at 2017年08月15日 01:05
最近、ちょっとヤな相手とばかりです。
もうしばらく、我慢です。
Posted by ぼたん at 2017年08月18日 23:40
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