2017年09月01日
救世主?
「……いい加減にしろ」
いつもより低い、凄みのある声でそう言い
イツキの髪の毛を正面から掴み、頭ごと後ろの扉に押し当てたところまでは
まだ黒川にも若干、余裕は残っていたが
イツキがもう一度手を振り回し、黒川の手を外し、黒川の身体を押し退けようとしたあたりが限界だった。
とりあえず平手でイツキの頬を叩く。
「…落ち着け、…馬鹿が!」
「……そうやって…、結局、……手を出すんじゃん……」
「…はぁ?」
「俺の話も聞かないで…、結局最後には力ずくで…、……昔と、なんにも、変わんないじゃん……」
イツキがそう言い終わるか終わらない内に、もう一度、平手で叩かれる。
今度は耳の後ろに入ってしまい、くらくらと眩暈を感じ、足元がよろける。
それでもイツキは顔を上げ、黒川を睨む。
その態度が気に入らず、黒川は、イツキの胸倉を掴み、軽々と締上げる。
「………ふざけるなよ、イツキ…」
そのまま身体を持ち上げ、首を絞めるか、床に放り出し足蹴にするか……
そのどちらか…、という時に、イツキの後ろの扉がガタガタと動き出す。
誰かが扉を叩いている。
鍵が掛かっていなかった扉は、イツキたちを押し退ける様に開き、一人の男が事務所の中に飛び込んで来る。
男は、黒川とイツキの間に割って入り、イツキをかばう様に両手を広げ、黒川との間に距離を取った。
梶原だった。
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最近のコメント
この際、有名大学→官僚にでもなって黒川から奪ってみたら^_^
なかなか良いアイデアかも!?