2017年09月15日

一ノ宮の提案







「…それは…、良かった。…いえ、こちらとしては穏便に、事を収めたいと思っていまして。…出来れば、梶原くんとの話し合いのみで、解決出来ればと思っています」

「……それ以外の解決方法って…、あるんですか?」




イツキの隣に座った一ノ宮は正面の梶原に、穏やかに、…それでもいつになく威圧的な空気で話を進める。
イツキはチョコレートの付いたスプーンを舐めながら、自分は、どちらの立場にいるのだろうかと考える。




「明らかに暴力事件です。警察に届け出をし、しかるべき法的措置を取る事も出来ます」




そう話す一ノ宮を、驚いた顔で見遣るのは、イツキだった。
それはごく、当たり前の提案なのだろうが、とても画期的で斬新なもののように思えた。




「しかし、それには、イツキ君の事を説明する必要もあるでしょう。
ご存じかと思いますが、……我々とイツキ君の関係は、特殊で…
結果によっては、少々困る事態になるかと………」


一ノ宮は言葉を濁し…、わざわざ、小さく溜息を付き、隣のイツキを憐れむように、見る。



「…我々は勿論、相応の処罰は覚悟しておりますが…、イツキ君は……

場合によっては病院や、……矯正施設などにやられてしまうかも知れませんね……」




一ノ宮の話は提案のように見えて、その実、選択肢などは無いのだ。




posted by 白黒ぼたん at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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