2017年09月19日

水溜り







一ノ宮に車で送ってもらい、イツキは、自分の部屋に戻って来た。
実際、ここ数日の出来事が目まぐるし過ぎて、どこか現実味がない。


続いた、仕事と、小野寺とのやり取りで、身も心も擦り切れ…、とうとう、堪えが効かなくなってしまった。
黒川に啖呵を切ったことは後悔していないけど、やはり、そのせいで梶原に迷惑を掛けてしまった事は、自分のせいだと思う。




梶原のお節介と、黒川の暴力気質を差し引いても、………自分が悪い。
頑なにそう思い込んでしまうイツキが実は一番の被害者なのだけど、もう、そんな事には気付きもしない。





黒川からの連絡は、未だ、一切無かった。
一ノ宮に様子を尋ねてみたが、『さあ、どうでしょう…』と首を傾げるばかりで、何をしているのかも解らない。

怒っていると、思う。

自分を、以前のような「商品」として扱えばいいと、自分で言ったのだから
実際、そうなったとしても、文句は言えない。
もっともそれは、今までと、さして変わりのない生活なのかも知れない。






「…………あっ…」



ぼんやりと考え事をしていたら、
水の入ったグラスを、テーブルに倒してしまった。
慌てて、そこいらにあったタオルで、テーブルを拭くのだけど




水溜りには、知らずに零れた涙が、ぽたぽたと落ちていくばかり。







posted by 白黒ぼたん at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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