2017年09月24日

馬鹿な子たち







「……なんだ、本当に来たのか。
自分から言うだけあって、仕事熱心だな、イツキ」




三日ぶりに顔を合わせた黒川が最初に言った言葉がそれだった。







馴染みの客と会食だと、時間と場所を指定されたメールが来て
イツキは、とりあえず黒いスーツを着てその場へと赴く。

……自分だって、少々ヒステリックになり過ぎたのだし、
黒川から、詫びの言葉の一つでもあれば、……まだ考えがある。
そう思って来たのだけど、相変わらず

黒川は、馬鹿にしたような薄笑いを受かべ、軽口を叩く。





黒川は

イツキの出方を伺っていた。

『仕事』の予定を伝えたら、どうするのか…。拗ねて、もう嫌だと言うのなら、それでも良かった。
確かにここ暫く無理をさせたとは思っていたし、行き過ぎて、手も出てしまった。
涙を浮かべて甘えてくれば、それを許してやるくらいの寛大さは持ち合わせていた。



それでも、
時間通り目の前に現れたイツキは、きっちりと、仕事用のスーツを纏い
泣き言も言わず、表情も変えず、黒川をチラリと一瞥しただけで、大人しく部屋へと入って行く。



それを見て黒川は、つい


掛ける言葉を、間違えてしまった。






posted by 白黒ぼたん at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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