2017年09月25日

営業用イツキ







黒川と二人の時は何も話さず、そっぽを向いていたイツキだったが
客人が来ると、営業用の笑みを浮かべ、いつもと変わらない素振りを見せる。
目の前に並ぶ料理を嬉しそうに眺めたり、日本酒に、少し酔ったフリをしてみたり、
男の下品な冗談も軽く流して、艶っぽくはにかんで見せる。


黒川は、そんなイツキを端で見ながら
本当は、いつもと何一つ、変わっていないのではないかと思う。
この後、男とホテルに行けと言えば、やはり、拗ねて不機嫌になり、


それでも従い。



終わった後に迎えに行き、濡れて疲れた身体を抱き締めてやれば
今まで通り、元通り。
朝には、自分の腕の中に納まり、普通に、「お腹が空いた」とか言っているのではないかと思う。


そうであったら、楽だな、と思う。







「………黒川くん、…いいかな? イツキちゃん、ちょっと借りても…」
「……そうですね…。……イツキが、良いと言うなら……」



お約束のやりとりをして、イツキを見遣ると、イツキは酔っぱらった風なとろんとした目をして、「…はぁーい……」と甘ったれた声を出す。

そして、黒川の方に顔を向けると




一瞬で、酔いの醒めた厳しい表情に戻り、しばらく無言で睨んでは…

いつもの営業用イツキに戻るのだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:11| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
せつないんだけど、あはは。
黒川泣かすことに、喜びをみいだす癖に
目覚めた読者は、私だけではないはず(笑)
Posted by かつら at 2017年09月26日 05:32
私もですww

しばらくは黒川、可哀想月間で!
Posted by ぼたん at 2017年09月26日 23:20
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