2017年09月26日

秋明菊







店を出て門扉までの少しの間。
石畳のアプローチに、ほろ酔いのイツキが足元を引っ掛けそうになると、すかさず、黒川が腕を掴む。



庭木のナナカマドの葉は赤く、秋明菊は薄紫の花を咲かす。



「…大丈夫か?」
「……大丈夫」
「そうじゃない。……いいのか、この後?」



向かい合って、視線を絡める。
イツキが姿勢を直した後も、黒川は腕を掴んだまま、一応、この後の予定を確認する。
自分から「仕事」を振ったくせに、イツキがそれを二つ返事で引き受けると、それはそれで…気にはなるのだ。

どうにも、このところ、イツキの行動が、オカシイ。
もっとも、おかしい訳ではなく、単に黒川がイツキを理解出来ていないだけ。



「………俺は、……いいけど。……マサヤは?」
「……ん?」
「マサヤは、いいの?……俺が、…行くの」





「…イツキちゃん、車、来たよ。さ、早く、早く」



黒川が返答を探している間に、門の外にいた男がイツキに声を掛ける。
イツキは「はーい」と返事をして、黒川に捕まれていた腕を、引くと

「………帰りは、送ってもらうから。……迎えに来なくても、いい…」

そう言って、黒川の元を、離れるのだった。






posted by 白黒ぼたん at 23:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
はー、マサヤが可哀相なのがちょっぴり嬉しい!笑
自業自得ですよ!自業自得!
Posted by みん at 2017年09月27日 01:38
そうですね、自業自得です。
もーちょっと、可哀想な目に合ってもらいましょう笑
Posted by ぼたん at 2017年09月27日 23:54
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