2017年10月08日

最小限







「……なんとかなりそうだよ。昨日も偉い先生と会ったけどさ、普通で…
若い子だから、ヤンチャの一つもあるでしょうって言ってくれて…、…良かったよ」



問題があった10月が過ぎて、11月。
イツキと黒川は、相変わらずの膠着状態。
梶原は受験勉強にまい進する日々。
徐々に、静かに、落ち着きを取り戻していた。

昼休みには、また、イツキと梶原と大野の三人で、過ごすようになっていた。
……若干、大野の、イツキへの視線は厳しかったが……

確かに反省している様子と、紙パックのコーヒーを飲む姿が可愛いのに、流されてしまったという所。



「あとは、合格するだけ…ってね」
「それが一番、大変なんだろ、テル?」
「まあ、そこは…、頑張るしかねーよ。……まあ、うん。……頑張るよ」



梶原と大野の会話に、闇雲に口を挟むことも出来なくて
イツキは互いの顔を伺いながら、少し安心したように頷き、胸を撫ぜ下す。
自分と関わったことが原因で、梶原の将来に、暗い影が落ちてはと心配していたのだが……
どうやらその影響は、最小限に留まったらしい。



「…お前の方は大丈夫なのかよ、イツキ。……あの人と、ちゃんと、話、つけたのかよ?」



梶原がイツキに尋ねると、大野はまだ、ほんの少しだけ、嫌な表情を浮かべる。
あんな事があったのに、まだ懲りずにイツキの心配をする梶原に、呆れているのだ。

イツキもそれは申し訳なく思っているようで、項垂れたまま、
曖昧に微笑んで、紙パックのストローを咥えたまま、小さく首を横に振るのだった。






posted by 白黒ぼたん at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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