2017年10月15日

佐野と焼肉・1






黒川が一人、イツキの気配が残る部屋で悶々としている頃
イツキは佐野と、焼肉屋に来ていた。

帰り道、事務所の近くでバッタリ出会った佐野に、誘われたのだ。



「お前、超、久しぶり。何?何してた? まだ、あの、くだらねぇガッコー、行ってるの?」
「……行ってるよ。……くだらなくないよ。……ちゃんと勉強、してる…」
「へぇー」


佐野は半分茶化したように声をあげ、笑いながらビールを飲み、トングで鉄板の肉を裏返す。
イツキは、佐野が注文した焼酎を水のグラスに入れて、飲む。
やたらと機嫌の良い佐野に少し戸惑ってはいるが、それでも、一人でいると気が滅入ってばかりなので、ありがたい。


「佐野っちは?…最近は、どう?何してるの?」
「俺か?…今は出会い系で…ちょっと良い儲け話みつけてさ…。あとはオッパブ」
「…お…パブ?」
「ああ。行くんじゃねぇぜ、経営、経営。これがナカナカ。今、ぽっちゃりばっかり集めててよー…」


イツキには良く解らない話をしながら、佐野はゲラゲラ笑う。
それでもイツキは、この雰囲気が楽しい。
夜の街で、酒を飲みながら、怪しげな話をする場面が馴染む。




「ところでさ、イツキ。お前、……社長と揉めてる?」
「………え?」
「お前、また…どっかで誰か…、男、引っ掛けてるんじゃねぇだろうな?」


思いがけない佐野の質問に、イツキは目を丸くする。





posted by 白黒ぼたん at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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