2017年10月17日

佐野と焼肉・3







「…あっはっは……、は………」


佐野は高笑いをしてビールを飲む。
ふと正面のイツキを見ると、イツキは少しも笑ってはいなくて、困る。
黒川との関係に迷っているイツキを励ますつもりが、ただの空回りに終わる。


「……は、は。……えーと。まあ、そのアレだ。お前と社長って…、フクザツだからよ。色々…、あるだろうけど。……その…」
「……複雑…だよねぇ…。おかしいよねぇ…。俺も、もう、解らなくなっちゃった…」
「……でもよ。……離れられねーんだろ?……やっぱりさ、その、……気持ちはあるんじゃねぇの?……お互いに」
「………そうかなぁ……」



珍しく真剣な面持ちで、佐野は、そんな事を言う。
佐野は基本的には遊び好きの軽い男だけれど、イツキの事は可愛く思っているし、何より、付き合いも長い。
イツキが、黒川の元に来た、一番最初の頃から、この二人を見ているのだ。


「……複雑で、色々あったから、逆に、素直になれねぇって…、感じかもな…」


実は、冷静に、率直に、一番に、二人の事が解っているのかも知れない。






しばらく、大人しく、鉄板の肉を焼く。
佐野は焼酎をボトルで頼み、イツキと一緒に水割りで飲む。




「……ねえ、佐野っち…」
「……ん?」

「………さっき言ってた、マサヤが俺にベタ惚れって、……本当?」



ほろ酔いの上気した頬で、イツキは少し恥ずかしそうに、そんな事を聞く。
可愛くて儚げで艶っぽくて、思わず佐野は鼻の穴と、股間を、膨らませるのだった。



posted by 白黒ぼたん at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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