2017年10月18日

佐野と焼肉・4







さて。
会計も済んで店の外に出る。
結局、二人で焼酎のボトルを一本空けてしまい、まあまあの酔っ払い加減。

佐野は、足が縺れたフリをして、イツキを店先の物陰に追いやる。



「……ホテル、行こうぜ?」



何のてらいもなく、佐野はイツキを誘う。
つい数分前まで、イツキと黒川の色恋話をしていたというのに、それとこれとは話が別、と言う様子だ。

身体を寄せ、腰を押し付け、服越しでも挿入出来てしまいそうな、そんな動きをする。


「…行かないよ。…馬鹿、佐野っち……」
「ご無沙汰なんだろ?……軽く…、抜くだけだって……」
「………馬鹿…」


酔っているせいか、それともまんざらではないのか、
一応、拒否はしているものの、イツキの声はすでに甘く、息も早い。

それでも、頭の片隅に僅かに残る理性を掻き集めて、どうにか、踏み止まる。
手を突っ張り、佐野と距離を取り、困ったように微笑み、首を横に振る。



「……駄目、……でしょ?………今、俺、…多分…」
「……三人目んトコ、行くのか?」
「…え?……誰?」
「……ああ、クソ。イツキ…。……社長と、オジャンになるなら…、次は俺にしてくれよなぁ……」




そう言う佐野はすでに呂律も回らない様子。

もっともイツキも、言葉の意味は良く解らず、それに気付いたのは、一人で乗る帰りのタクシーの中でだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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