2017年11月06日

静かな部屋で・2







「……俺の女、…って…」
「そうだな。…そうだろう?」


黒川の深意を探る様に、イツキは黒川を伺うのだが
やはり黒川はイツキを見ず、顔色も変えず、別に何も、おかしな事は無いと言った風。


「揉めても、別れてもいない、…って」
「…若干、揉めたか。…はは。……他愛もない」


あの、小野寺絡みの一件や、梶原への暴行。堰を切って溢れた激情を若干で済まされてはかなわないと、イツキは唇を尖らせ、黒川を睨む。

……それとも、本当に、そんな程度のものだったのだろうかと……
イツキ自身、解らなくなる。


「………そんな位?」
「ああ」
「俺、結構、大変なんだけど。…俺って、何なんだろう…とか、これからどうやって生きていこう…とか…。色々、考えてる」
「…そうか。ご苦労さん」



黒川は軽くあしらい、吸いかけの煙草をもう一服やって、灰皿に押し付ける。
この男は、自分と真面目に話をする気は無いのかと、イツキは呆れ、ふんと鼻息を鳴らす。



「……昔とは、違う…は、どういう意味?」
「最初から最後まで、よく覚えているな。……くだらん。……言葉の綾だ」



黒川はソファから腰を上げ、もう寝るぞ、と寝室に向かう。


それでも、顔も見せずにつぶやいた一言は、黒川の本当の気持ちなのだろう。






「……西崎がお前を好きに扱っているのを見たら、無性に腹が立った。
……勝手なものだな、いつも、俺が、そう仕向けているのに。

昔と違うのは、俺か…


こんなにお前が愛しくなるとは、思わなかったな」






posted by 白黒ぼたん at 23:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
言うたー言うたー⁈
言うたよねーー
その声、届いたんですよねーー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
Posted by 茶々 at 2017年11月07日 06:52
うっかり、言ってしまいました。
…な、無かった事に……笑
Posted by ぼたん at 2017年11月07日 20:43
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