2017年11月12日

静かな部屋で・最終話







「全部が全部、納得した訳じゃないからね。小野寺さんとは、もうヤだし。
梶原のことも、…今回は学校、大丈夫だったから…まだ良かったけど、でも
手、出すなんて…、暴力なんて、最低…」

「…あれは、貰い事故だろう。あんな場面で顔を出す奴が悪い」





昼下がりの定食屋で、二人向かい合って、食事を取る。
距離を置いていた二か月弱の時間を埋めるように、別れて暮らして来た間の出来事を報告する。


「……だいたいお前が、変なキレ方をするから…、話がややこしくなったんだ。……言いたい事があるなら、ちゃんと言え…」
「はぁ?…言ったよ、言ってたよ?……聞いてくれなかったのはマサヤじゃんか!」


夕べの甘い蜜月が嘘のように、黒川はいつもの憎まれ口を叩く。
イツキもつい、声を荒げるのだが…、一呼吸置いて、口を噤み、ふんと大きな鼻息を鳴らす。






黒川と、同じ土俵で話をしても、埒があかないことはもう解った。
一歩下がり、跪きひれ伏し従うか、……もしくはその反対しか無いのだろう。



「…なんだよ」
「べつに。まあ、いいや…」


そう言ってイツキは視線を流し、そのくせ、小さく笑ってみせる。
それを見て黒川もまた、ふんと、鼻息を鳴らす。





全ての答えは、そう簡単に出るものではない。
今回は、これくらいにしておこうと、お互い、思っていた。







おしまい
posted by 白黒ぼたん at 11:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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