2017年12月04日

タイミング・13







赤い車の前で黒川と清水は睨み合う。
背の高さは同じくらいだが、黒川の方が肩幅があり大きく見える。
父親の話を出されて、清水は、激高する。
それを持ち出される事が一番気に入らないのだと、本人も黒川もよく知っている。



「…西崎もお前も一緒だ。ヤル事は同じだろう?揃いも揃って、人のモノに手を出しやがって…」
「イツキは物じゃねぇだろう!……そんな風に考えてる自体が間違ってる…」
「偉そうな口を叩くなよ、ガキ。溜まってるなら、他所で抜いて来い。阿呆め」




口汚い罵り合いは、黒川に分がある様だった。

「…なんなら、相手を世話してやろうか?……穴が開いてりゃ、何でもいいだろう?」

と、最後に付け加え、馬鹿にしたようにニヤリと笑う。
さすがに清水もカチンと来たようで、鼻息を荒くし、拳を握りしめる。



殴ってしまえばいい。そして、イツキの手を引いて、車に乗せて
今度こそ、どこかに、逃げてしまえばいい。
そんな思いが清水の頭をよぎる。



一触即発の緊張感が漂う。








「………えっと…」



二人の間を割って、ようやくイツキが口を開く。



「まだ、話、続く?……俺、部屋、入りたいんだけど…、寒くて…」






posted by 白黒ぼたん at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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