2018年01月10日

最初の事件・2







特別に油断して歩いていた訳でも、色気を振りまいていた訳でもなく。

普通に学校の帰り、駅までの途中、たまたま人の目が無くなった頃合。
気付くと恰幅の良い男が数人、イツキの周りを囲み、銀色の刃物をチラつかせながら、車に乗れと誘導する。
まず、無理な事は解っていたが、一応の抵抗はしてみる。
けれど案の定、簡単に捕まり、車に押し込められ、目隠しと手枷をされる。

付け込まれる隙を見せたと言われれば、そうかも知れないが、それではどうやれば防げるのかを、逆に教えて欲しい。




『……誰?……俺、知ってる人?………こんな事、オカシイって…、……あとで酷い目に遭うんだから…』



と、もっともな事を言って、通じる相手ではないだろう。
明らかにイツキを知っていて、手を出しているのだ。
以前関係を持った誰かが、ただもう一度、イツキを抱きたかっただけなのか、それとも、

何らかの思惑で、黒川の女を貶めたい輩がいるのか。
理由はまだ、解らないが。



『…大人しくしていれば、怪我はさせない。…夜には、帰してやる』



囁かれる声は意外に優しく、イツキは戸惑う。
戸惑う事は、それだけでは無く、他にもあって…
イツキはそれを考えないようにと、目をぎゅっと瞑り
とにかく時間が過ぎることだけを、ひたすらに待っていた。








翌日の昼過ぎ。
何も知らない黒川が、部屋に戻る。





posted by 白黒ぼたん at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/182092998
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
余計な揉め事 by ぼたん (10/18)
余計な揉め事 by はるりん (10/18)
甘い欲求 by ぼたん (10/17)
足りないイツキ by ぼたん (10/17)
甘い欲求 by はるりん (10/16)
足りないイツキ by はるりん (10/15)
誘惑・5 by ぼたん (10/13)
誘惑・5 by A (10/12)
誘惑・5 by はるりん (10/12)
誘惑・3 by ぼたん (10/11)