2018年01月19日

最初の事件・9







終わると男は何の情緒も残さず、イツキの身体を離れる。
入れ違いで別の男が入って来たようで、何か小声で話をした後、まだ息も整わないイツキに服を着させる。
あちこちが濡れ、痺れ、シャツのボタンも半分しか留められていない状態で、引きずる様に歩かされ、
車に乗せられ、突然拉致されたように、突然、道端に放り出される。


それでも、そこは、事務所の近くの、イツキも知っている道で
わざわざそこに降ろすという事は、イツキの事を、本当に良く知っている人物の犯行なのだろう。





それが、昨日の夜の話。





イツキはマンションの部屋に一人、黒川と別れた時のままソファに寝転び、まだその事を考えていた。




途中、本当に、………相手は黒川なのではないかと思ったのだ。
力の加減も、差し引きも、酷く、自分に丁度良くて、……それ以上で。
黒川が変な趣向で、自分を驚かせて、遊んでいるのではないかと…、…一瞬、相手の男の顔を見た後でさえ、そう思ったのだ。


『……ねえ、マサヤ。……マサヤ、……だった?』


言いかけて、口を噤む。
そんな筈はないのに、半ば、そうだったら良かったのにと、思った。






posted by 白黒ぼたん at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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