2018年01月20日

最初の事件・終








イツキは自分で、自分が、……セックスに溺れ易いという事は解っていた。
好きでも嫌いでも、合意があっても、無くても…、始まってしまえば拒むことは出来ない。
今までの経験上、そうしてしまうことが一番、自分の心と身体のリスクが低いのだと、言い訳にしてきたのだけど。
それにしても、あまり欲しがり過ぎては、ただの色欲にまみれたケダモノになってしまう。


自分をケダモノにするのは、黒川だけで十分だと言うのに。




「………いや、別に。……良かった訳じゃないし、…たまたま、なんか、ツボに嵌っただけ。……うん、………そう」



自分自身に言い聞かせるように、声に出して、言ってみる。
腕を回し自分の身体を抱き、ソファの上で小さく丸まる。



「……馬鹿、……俺。……ただ乱暴されただけじゃん。……事故だし。……これっきりだし………」





形にならない、なんとも言えない不安を、必死に拭い、無かったものにする。



それでもイツキはやがて、自分が何を怖がっていたのかを、知ることになる。



これが、最初の事件。





posted by 白黒ぼたん at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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