2018年02月04日

油断








多少、油断していたのは事実。





ある日の夕方。
部屋に一人でいたイツキは、どうしてもアイスが食べたくなって、コンビニに買い物に行く。
マンションからコンビニは、数分の距離だし、どうしたって人の目がある場所なのだし。
まず危険は無い。これが危険と言うなら、イツキはもう、何も出来なくなってしまう。


ジャージの上下にコートを羽織り、外に出る。


コンビニではアイスの他に、牛乳とスナック菓子とプリン、それとレジ前でおでんをいくつか選び、荷物は両手いっぱいになってしまう。
「……主婦か…」とイツキは一人でつぶやいて、くすくすと笑う。

店を出て、来た道を戻り、マンションまでもう少しという所で


イツキは突然、後ろから、身動きが取れないように肩を抱かれ、声も出せないように口元を塞がれた。

















「……だから、ごめん。ごめん。本当に、ごめん!……マジ、本当、…ごめん!」




街中で偶然イツキを見つけた佐野が、イツキを驚かせようと、ちょっとした悪戯を仕掛けたのだが、いかんせん、間が悪すぎた。

つゆだくのおでんのカップを足元に落とし、零れる嗚咽を抑える様に口に手を当て、恐怖で身体中を震わせるイツキ。

佐野がいくら地べたに額を擦りつけ謝ったところで、それは、冗談で済まされるものでは無かった。




posted by 白黒ぼたん at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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