2018年02月07日

公認デート・1









佐野の知り合いの店だという定食屋。

一番奥の席で人目に付かないのを良い事に、佐野はイツキのグラスにもビールを注ぐ。
ツマミは、刺身定食とヒレカツ定食のご飯無し。
腹も満たされ、アルコールも入り、ようやくイツキは落ち着いたようで、穏やかな表情を見せる。



「……いや、マジで。…あんなに驚くとは思わねぇもん…」
「佐野っち。間が悪すぎ。……俺、この間、ちょっと、あって…、今、…駄目な時期…」
「レイプされたって?…また?……それにしたってよ…」



『お前、そんなの、慣れっこじゃん』と言いそうになって、さすがにそれは止める。
イツキが経験してきた酷い事のアレコレを知っている佐野には、今更何が起こっても、別段変わりはないような気がするのだが…

イツキがデリケートになっていると言うなら、それも、仕方がない。



「…でも、まあ、アレだな。社長とは、イイ感じだな。…もっと怒られるのかと思ったけどさ…」
「最近、優しいんだよ、マサヤ。……気持ち悪いくらい…」



ビールのグラスに口を付けながら、イツキはそう言って笑う。
相変わらず可愛いし、それ以上に、ふわりとした柔らかさと艶っぽさが増したと、佐野は、ごくんと唾を飲み込む。






posted by 白黒ぼたん at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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